2012年5月4日金曜日

銀河鉄道の夜のジョバンニの母親は実は死んでるって本当?

銀河鉄道の夜のジョバンニの母親は実は死んでるって本当?

宮沢賢治の銀河鉄道の夜で、



主人公ジョバンニの病気に伏した母親は実は死んでる(物語最初から死んでていない)って本当ですか?





そういう解釈がありうるのでしょうか?







ないです。生死についての諸説あるのはジョバンニの母ではなくカンパネルラの母だと思います。カンパネルラの母は実は二人おり、今生きているのは継母だという説があります。カンパネルラは列車の旅の最後「石炭袋」の章で「ああ、あすこにいるのは僕のおっ母さんだよ」と言ってるから、本当の「おっかさん」は死んで天上にいる、しかし、その前にカンパネルラが思いつめたように「おっかさんは僕を許して下さるだろうか」と言った時、ジョバンニは「なんにもひどいことないじゃないの」と言ってるから、表面的な母親(継母)も別に存在している、だからジョバンニには、一見問題なく裕福な家庭に育っているカンパネルラの、秘めた悲しみが見えなかった、という説が存在します。確かに、カンパネルラが溺れた時、父親は川に来ますが、一番心配するはずの母親は来ていません。



それとの勘違いかと思われるのですが・・・



補足:母親を声のみにしたのは、映画の脚本に当たった別役実の演出だと思います。初期稿から最終稿まで読んでも、ジョバンニの母が死んでいる(幻)らしき描写は見当たらないし、少しは専門に調べた時期もありましたが、その説は初耳です。殊更賢治の作品の持つ幻想性を重んじた映画だったので、その映画から都市伝説が派生したのではないでしょうか。解釈は自由ですが学説的な根拠はないですよ。

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